アリコ買収が混迷を深めそうな気配に

「1兆円は高い買い物」 アリコ買収ためらう

 先週は株価が大いに下げ、冷や冷やしましたが、今日は東証の終値が1171円高と大きく反発し、やれやれです。

 そんな中、日本生保大手社がアリコ買収をためらっているようですね。

 アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)が売却を決めたアリコ・ジャパンの買収が難航しそうなニュースがJ-CASTニュースで発表されていました。

 (http://www.j-cast.com/2008/10/14028492.html)

 事実上の国有化となったAIGが日本で事業を展開する、アリコやAIGスター生命、AIGエジソン生命の保険料収入は3社合わせて、なんと2兆円強と、国内大手に匹敵します。

 2007年度で見ると、日本生命が4.9兆円、第一生命が3兆円、明治安田生命2.6兆円、住友生命2.5兆円、当のアリコが1.5兆円、アフラック1.2兆円と続いています。

 アリコ・ジャパンは知名度が抜群で、食指を伸ばす国内外の保険大手は少なくないとされています。

 ところが、「高い買い物になり兼ねない」、場合によっては「誰も手を挙げないかもしれない」とささやかれ始めているようです。

アリコ買収で一気に規模拡大の思惑がぶれている

 米AIG本社は2008年10月3日、アリコ・ジャパンやAIGスター生命、AIGエジソン生命を売却する意向を発表しました。

 アリコだけでも、買収額が1兆円超ともいわれる「大型合併」のゆくえに、保険業界はにわかに揺らぎはじめたようです。

 保険離れが進んで減収傾向にある国内の生・損保にとって、アリコを収められれば一気に規模を拡大できるとの思惑は当然でしょう。

 アリコは終身医療保険や入院保険などの保険商品を、通信販売や銀行の窓口販売で拡大してきました。

 テレビや新聞・雑誌で大々的な広告展開していたことで、知名度はとても高いですね。

  • 「通信販売で獲得してきたアリコの顧客と、既存の保険会社とは顧客層が異なる」
  • 「アリコの商品は掛け捨て型なので、配当負担がないのがいい」

 と、買収のメリットが語られているようです。

 その一方で、医療保険や入院保険を主力としてきたアリコの顧客は、大手保険会社の補完的な役割を担ってきたので、「買収しても顧客はダブるだけ」という声もあるようです。

 業界関係者は「1兆円もの買収額を考えると、国内でアリコを買えるのは、日本生命か東京海上ホールディングスしかない」と話しているようですが、事実でしょうね。

 しかしここに来て、世界的な株価下落の影響を受け、10月10日には、とうとう大和生命が経営破たんし、経営環境が厳しいので、買収はそう簡単ではなくなってきているようです。

 ただ大手生保であれば、「1兆円」の出費もガマンできないことはないというわけです。

 では、なぜ躊躇するのでしょうか。

アリコの財務情報が少なく資産の中身が不透明

 それは、アリコの財務情報の少なさのようです。

 「アリコ・ジャパンは支社なので、これまでの日本の生保の買収とは違って不透明な点がある。そもそも、資産の痛みぐあいがわからないのに、1兆円は高すぎる」という保険関係者の声は少なくないと言われます。

 当初、アリコ買収に前向きだったアフラックのダニエル・エイモスCEOが、突然慎重になったのもそのためなんでしょうね。

 買い手からすれば、株価下落が続けば資産価値が下がり、より割安で買収できると思いきや、一方のAIGは公的資金を受け入れていることもあって、できるだけ高値でアリコを売りたいのは当然で、両者の妥協点が乖離しているのは間違いないでしょう。

 AIG日本法人は、「アリコなどの売却については、本国が交渉していて、いまのところ状況は伝わってきていません」と話しているようです。

2008年10月14日

カテゴリー:FPブログ


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