生命保険を安く効果的に活用する

 保険は安くするに越したことはないと皆さんお考えですよね。

 昨今の経済情勢ではなおさら、保険料を抑えて、家計のダイエットに役立てたい方が、多いのではないでしょうか。

 私の体験上ですが、安くできるコツをお伝えし、また、どうすれば安く、かつ効果をアップできるか考えてみましょう。

義理やしがらみを捨てる!

 ダイエットの第一歩は、無駄な保障を殺ぎ落とすことです。義理やしがらみは捨てましょう。

 私は生保会社で営業を9年、最近ではアドバイザーとして、通算10年以上、保険の営業現場を見ております。
 そこで痛感したことは、保険における義理やしがらみほど、最後の人間関係のもつれにつながることは無い! ということです。

 保険を使う時というのは、困っている場面であり、かつ額が大変大きいことが特徴です。

 保険の支払の時に、こんなはずじゃ無かったというケースが以外に多いものです。
 これは安易な設計をするセールスサイドに責任は大きいのですが、ユーザー側も選んでしまった責任が、少しでもありますね。

 ここで良く考えてみて下さい。

 いざという時に保障をするのは保険会社であって、セールスの人ではありませんね。
 そしてその保障の元は、みなさまが毎月・毎年せっせと掛けて下さる保険料です。
 だからこそ、大切な自分と家族が納得するため、内容にこだわる必要があると思いませんか。

 内容を吟味して、いらないものを捨てることがダイエットの第一歩です。

いらない保障をカット

 この部分は解説するとかなり長くなるので、端的に申し上げます。

 キーワードは、“ 保険は少ないくらいでいい ”ということです。

 多額の保険金のために家族や親戚関係が崩壊する例は決して少なくありません。
 残された家族が困らない、最低限はキープする必要はありますが、それを拠り所に、みんなが結束できるような額、具体的には、必要最低限から少し低いくらいでいいと考えるの私だけでしょうか?

 心配しだすときりが無いのが保険です。考えられるリスクを明確にして、目的をしっかりと持った加入形態にしましょう。
 (リスクについては、ファイナンシャルプランニングのコラム「リスクの種類を確認しましょう」)でご確認下さい

 続いてテクニックをご紹介します。
 すっきりとさせるために死亡と医療を分けて考えます。

死亡保障を安くする

 結論から言いますと「収入保障保険」と呼ばれる商品をご利用しましょう。

 この商品は亡くなってから、契約している年齢まで毎年一定の保険金をもらえるという商品です。
 加入してまもなくは、もらえる期間が長いので大きな保障を得ることができます。
 加入年数が長くなってきますと、今度はもらえる期間が短くなるので保障が減っていく性質にあります。

 俗に“掛け捨て”と呼ばれる「定期保険」は、ある年数決まった期間を保障する箱型の保険です。

 これは期間が短ければ短いほど安くなります。期間が長くなるとその分亡くなってしまう方が多いからです。
 同じ掛け金で考えますと、この定期保険よりも収入保障保険の方が、当面の保障を大きくキープできる傾向にあります。
 しかも年ごと支払いではなくて、月ごと支払いの方が安くなる傾向にあるようです。

具体例で見てみましょう。35才男性の月払いを例にします。

収入保障保険の月10万円保障タイプ → 保険料は3,470円となります。
   (60才まで保障)

 これは亡くなった時点から、60才になるまでの期間、毎月10万円を遺族にお支払をしていく内容です。
 契約直後が最も保障が大きく、(保障)月10万円×12ヶ月×(60才-35才)で、総額3000万円の保障になります。

 ただし一時金でもらう場合は、中間の利息を控除して2,457万円、1年後には2,377万円、2年後には2,297万円と徐々に減っていきます。

 上記の収入保障保険と、掛け捨ての定期保険を比較してみます。
 2年後の一時金評価としての約2,300万円に、一時金の保障額を合わせて比較してみます。

保険種類 保険の期間 保険金額 月保険料
収入保障保険 25年 (月) 10万円 3,470円
定期保険  5年 (一時金) 2,300万円 5,589円
定期保険 10年 (一時金) 2,300万円 6,348円
定期保険 15年 (一時金) 2,300万円 7,360円
定期保険 20年 (一時金) 2,300万円 8,717円
定期保険 25年 (一時金) 2,300万円 10,534円
定期保険 30年 (一時金) 2,300万円 12,673円

 という具合であり、収入保障保険の安さが際立ちます。

 自分の中では、定期保険プラスこの収入保障保険という組み合わせがいいと考えています。この点は別途のコラムで解説します。
 死亡保障というのは、ご家族の成長とともにその必要性を少なくしていく性質があります。イメージは右肩下がりのカーブという形ですね。

 収入保障保険はこの形にぴったりと合う合理的な保険だということができます。
 上手にご利用してくださることをお祈りしております。

終身保障を安くする

 終身保障を安くするのに、支払期間を長くして、みかけ上を安くしているケースが少なくありませんので、注意が必要です。
 最近は、「低解約返戻金タイプの終身保険」という商品が発売されております。

 内容は、保険料の支払期間中、例えば60才まで支払をするとなれば、60才までの期間、途中で解約すると解約返戻金が低く抑えられますが(概ね通常の70%)、払込を完了した途端に解約返戻金が通常の終身保険と同等水準までアップするというもので、保険料を安くすることに成功している商品です。

やはり具体例を見ていきましょう。やはり35才男性の月払いのケースです。

保険種類 払込期間 保険金額 月保険料 払込総額 66才時
解約返戻金
通常の終身 65才 1,000万 22,350円 804.60万円 約794万円
低解約金終身 65才 1,000万 18,760円 675.36万円 約794万円

 この例で、同じ保障内容にて約16%の保険料の節約となります。
 必要と思われる終身保障については、利用価値がありますね。

 また、変額終身保険もコストの節約になります。上手に利用なさるといいでしょう。

医療保障を安くする

 医療保障については、ちょっと注意が必要です。

 入院の保障期間が1入院あたりの限度日数が60日、120日、370日、730日と商品に差異があるため、単純な比較が難しいです。
 やはり自分の考え方にフィットさせるのが大切です。

 死亡と違うのは、医療はこれからの時代、生きるリスクのために長期間付き合う必要性が高い商品です。

 従って、総払い込み額に着目する必要があります
 当面を安くするのに更新タイプにすると、総払い込み額は高くなり、当面高くても終身タイプを選ぶと、総払い込み額は安くなります。

 それでは具体例をみましょう。
 25才男性で、入院日額1万円の保障内容で月払いのケースをみます。
 平均寿命の77才まで保険料を掛けるものとします。

払込種類   月保険料 累計保険料
10年タイプ 25才~ 2,960円 約380万円
35才~ 3,190円
45才~ 4,160円
55才~ 6,250円
65才~ 11,140円
75才~ 19,940円
合計   
60才払済終身保障 6,020円 約253万円
終身払込終身保障 4,360円 約272万円

 このように更新を続けるのが、最も総払い込み額が高くなり、60才で終わらせるのが一番安くなります。
 終身払込は手軽な感じですね。

 この例で想像できるように、医療保障で一番問題になるのは終身医療をどの時点で持つかというタイミングでしょう

 若いうちは更新タイプで結構だと思います。医療の進歩に伴って約款が変更になる可能性もありますし、なによりも安いです。
 しかし40才の中旬ぐらいからそのアップ額が笑えないものになってきます。

 したがって40才代には終身医療で、保険料を固定してしまった方がいいというのが私の考えです。

 医療保障では、一生涯での総支払い額を安くするための視点を、ぜひお持ちください。
 老人医療もどうなるか全く不透明な時代です。

 医療保険での着眼点に、特約で持つか、主契約で持つかという問題があります。
 私は最近は主契約単体で持った方がいいと考えております。

 これについては、次のコラムをご参照ください。

まとめに

 保険を構成する部品ごとの説明でしたが、安くしたはいいけど必要なところまで殺ぎ落とすと、逆効果です。
 部品ごとの理解を深め、安さを追求しながらも、世帯全体での効果は下げてはいけません

 必要なものはしっかり残し、過剰なものや、代替可能な部分をうまく整理して、全体での優先順位だけは間違えないようにしましょう

2006年03月30日

カテゴリー:生命保険コラム


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