厚生年金、健康保険の総報酬制が2004年4月からスタート

実際の新料率による徴収は5月の給与から

 厚生年金、健康保険の保険料徴収方法が、5月の給与から変更になる。いわゆる総報酬制の導入で、賞与も含めた年収ベースで保険料を徴収するということだ。

 新しい厚生年金保険の料率は、平均標準報酬月額・標準賞与額ともに13.58%となり、健康保険の料率は、平均標準報酬月額・標準賞与額ともに8.2%になる。(表参照) 

【保険料率の新旧比較表】

厚生年金保険料率 健康保険料率
平均標準報酬月額
  ×173.5/1,000 
賞与額
  ×10.0/1,000 
平均標準報酬月額
  ×135.8/1,000 
標準賞与額
  ×135.8/1,000 
(賞与額上限150万円) 
平均標準報酬月額
  ×85/1,000 
賞与額
  ×10.0/1,000 
平均標準報酬月額
  ×82/1,000 
標準賞与額
  ×82/1,000 
(賞与額上限200万円) 



【新しい厚生年金保険料の調整の計算根拠】

 

○平成11年版「年金白書」より 
「年間賞与その他特別給与」の「きまって支給する現金給与(12カ月分)」に占める割合(男子労働者)

従業員 1,000人以上 ・・・ 35.6% 
     100~999人 ・・・ 28.4% 
       10~99人 ・・・ 20.3%

平均28.3% ⇒ 3割

月収総額:年間賞与=1:0.3

これまでの保険料は、月額給与から17.35%、
賞与から1%を徴収していることを考えあわせて算出
(17.35%×1+1%×0.3)÷1.3=13.5769≒13.58% 

 政府は、総報酬制に移行しても実質保険料負担は変わらないといっているが、その根拠は、上記新保険料率の算定による。
 しかしこの方式だと、賞与比率が3割を超えるサラリーマンは負担が増えることになる。 

 なお健康保険は、対象が小規模企業中心なので、ボーナスの比率(年間の月収額対年間の賞与額)を12対1.9で計算している。  これによると健康保険料率は7.5%になるが、実際は8.2%なので、健康保険は、総報酬制への移行と同時に保険料引き上げも行われている。 

 今回の総報酬制への移行に当たり、標準報酬月額の決定時期も変更されている。

 従来は、5、6、7月の給与をもとに標準報酬月額が決定されていたが、今後は4、5、6月の給与をもとに決定されることになる。

 したがって、料率の改訂時期も、10月から9月に変更になっている。 

 標準賞与額は、賞与が支払われた月に被保険者ごとに決定(1,000円未満を切り捨て)されるが、1回の上限を150万円としている(等級などはない)。 

 2004年は、厚生年金の5年ごとの財政見直し年度で、これから意見を集め、改正が決まっていくと思われる。

 厚生労働省のたたき台では国民にとって厳しい方向性が示されており、今後の論議をしっかり見守ることが重要といえるだろう。

2006年03月28日

カテゴリー:社会保険の基礎知識


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