医療保険制度改革をめぐる状況

平成11年度の医療保険決算・・びっくり赤字

 厳しい経済状況の下で、保険料収入が減少する一方、更なる老人医療費の増大傾向。
 医療保険財政の悪化・・・政府管掌健康保険=赤字額約3000億円(平成11年度決算)

 組合健康保険=赤字額約2000億円(平成11年度決算)
 国民健康保険=赤字額約3000億円(平成11年度決算)
 (市町村一般会計からの赤字補てんがない場合)

 これは平成13年度の話でした。
 保険料がこれだけ赤字であることを初めて知って驚きました。

 以下は、その時の厚生労働省の見解です。

「医療費の現状と見通し」(厚生労働省見解)

●わが国の国民医療費は年々増加し、現在、約30兆円の規模となっている。
 このうち高齢者に係る老人医療費は約10兆円であり、医療費全体の1/3を占めており、年々その割合が上昇している。

 また、国民医療費の伸びは、国民所得の伸びを上回る伸びを示しており、特に老人医療費の伸びは著しいものとなっている。

 このままでは、国民医療費は国民所得の伸びを上回る勢いで伸び続け、国民医療費の対国民所得費も現在の7%台から平成37年度(2025年度)には12%を超え、現在の1.7倍もの規模となると予測されている。

 国民所得の伸びよりも国民医療費、特に老人医療費の伸びの方が大きいというのは大変困った問題である。
 所得の中で医療費の占める割合が大きくなっていくというのは年金暮らしの高齢者にとってとても苦しい現状である。
 医療費、保険料、国の助成割合がすべてリンクされていることが、医療費を抑制するうえで大きく貢献するといえるだろう。

「老人医療費の状況」

●現在、70歳以上の高齢者は人口の1割を占めているが、老人医療費は国民医療費の3分の1を占めており、平成37年度(2025年度)には人口で2割の高齢者が医療費の過半を使うこととなる。

 高齢者の1人当たりの医療費は、若人の5.0倍となっている。

 これを分析してみると、高齢者の「受診率」(1ヶ月当たりに医療機関にかかる頻度)が若年者を大きく上回り、また「1件当たり日数」(1ヶ月当たりの診療にかかった実日数)も若人を上回っている。

「高齢者医療の対象者の実態」

● 高齢者の受診率等が高い背景には、

  •  「病気にかかりやすい」
  •  「入院した場合に入院期間が長期になりやすい」
  •  「要介護状態になりやすい」

 といった高齢者の特性がある。

 特に75歳以上の後期高齢者は、何らかの症状を訴えている者の割合(有訴者率)が高く病気にかかりやすい、要介護発生率が高く要介護状態になりやすいなど、こうした特性がより著しく見られる。

  というものでした。

 続いて、政府管掌健康保険の平成13年度単年度収支決算の概要です。

政府管掌健康保険の平成13年度単年度収支決算の概要

○政府管掌健康保険の平成13年度単年度収支決算は、4,710億円の赤字。その内訳は、医療分で4,231億円の赤字、介護分で479億円の赤字。

○赤字決算は、平成5年度以降実質9年連続。赤字額は、前年度の約3倍で過去最大。

 1. 医療分の収支については、

 (1) 収入面では、厳しい経済情勢を背景として、平成10年度以降4年連続での被保険者数の減少及び平成11年度以降3年連続での平均標準報酬月額の減少に伴い、保険料収入が対前年度比で637億円の減少となる5兆8,214億円となったこと

 (2) 支出面では、保険給付費が対前年度比で234億円の増加となる4兆2,524億円にとどまったものの、高齢化の進展等を背景として、老人保健拠出金が対前年度比で1,268億円の増加となる2兆1,836億円、退職者給付拠出金が対前年度比で730億円の増加となる5,816億円となったこと等により、対前年度比で2,662億円の悪化となる4,231億円の赤字。

 2. 介護分の収支については、平成12年度に納付の猶予を受けた介護納付金(911億円)の全額を平成13年度に納付した一方、これに相当する介護保険料を平成13年度と平成14年度とに平準化して徴収するものとしていること等により、対前年度比で503億円の悪化となる479億円の赤字。

 3. その結果、収入7兆2,217億円に対し、支出7兆6,927億円となり、対前年度比で3,165億円の悪化となる4,710億円の赤字。

 (注) 単年度の実質的な財政状況を示すため、国庫補助繰延の返済、保険料収入によらずに一般会計からの繰入れで償還するものとされている累積債務に係る経費等を除外している。

 4. なお、平成13年度末の事業運営安定資金残高は、医療分で5,526億円、介護分で▲455億円、全体で5,071億円。これは、対前年度比で1,654億円の減少。

 (注) 事業運営安定資金残高は、国庫補助繰延の返済、厚生保険特別会計における健康勘定から業務勘定への繰入れに係る当年度の剰余金等を含む。

 この数字を見て、みなさんは何を感じますでしょうか?
 医療保険はひょっとして破綻に向っているのではないかと感じたのは、きっと自分だけではないでしょう。

 もっと情報収集と沢山の意見交換から、真実の情報発信をしたいと考えています。

2006年03月28日

カテゴリー:社会保険の基礎知識


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