火災保険のポイント

 火災保険を知らない人はいないはずなのに、よくわからないまま契約しているケースが結構多いようです。

最低限必要な火災保険の知識のご紹介

 火災保険は「建物」と「家財」に分けて加入します。持ち家であれば「建物+家財」、賃貸暮らしであれば「家財」に入ることになります。

 ここで注意したいのは、いずれの保険金額も「再調達価額(新価)」で設定すること。
 再調達価額とは、早い話が、建物だったら新たに建て直した時の価格で、家財だったら、新品を購入した時の価格です。

 新型火災保険であれば、大半が「新価・実損払い」となので、保険金は再調達価額になっています。

 しかし、住宅総合保険や住宅火災保険などの従来型保険になると、「価額協定保険特約」または「新価保険特約」を付けない限り時価で保険金が設定されているので、そこをチェックする必要があります。

 「価額協定保険特約」は付加しても、特約保険料はかかりません。

 時価とは、建物や家財の再調達価額から、使用による消耗分(減価償却)を差し引いた金額です。
 築年数が古くなるほど、時価保険から支払われる保険金額は少なくなります。

 時価設定の火災保険も、価額協定保険特約などを付けることで再調達価額まで保険金を増額できます。
 中途付加は、契約更改または契約応答日のタイミングで受け付けるとするところが多いので、そのタイミングをしっかりと把握するようにしましょう。

 なお、全労済やJA、全国生協連(都道府県民共済)の火災共済は、自動的に再調達価額(新価)で契約するしくみになっています。

住宅ローンの火災保険は定期的に見直そう

 住宅ローンを組むときに、住宅金融公庫であれば「特約火災保険」、民間金融機関であれば「住宅ローン専用火災保険」「長期火災保険」という火災保険に加入します。

 これらは、返済期間以上を保険期間とする原則長期一括払いの火災保険で、「建物」に掛けるものです。
 希望をすれば「地震保険(公庫は特約地震保険)」も建物のみに付けることができます。
 いずれも通常で契約するより割安な掛け金で加入できます。

 これらの火災保険のポイントは、借入先の金融機関の質権が設定されている点です。

 火災などの損害を受けたとき、保険金は原則として、まず借入先の金融機関に支払われ、残りがあれば契約者に残金が支払われるしくみになっています。

 この火災保険金額は「融資額以上、時価(価格協定保険等を付ければ再調達価額)まで」設定できるようになっていますが、保険料を安くしようと借入額と同額の保険金しか付けていない場合、全焼しても保険金はローン返済にまわってしまい、再築費用に充てられるお金はほとんど残りません。

 いわゆる一部保険と呼ばれる現象です。

 つまり、住宅ローンの火災保険に入っている人ほど、価格協定保険特約などを付けて、限度額いっぱいまで保険金を設定することが大切です。
 再調達価額は物価や建築費などによって変動するので、更改の度に見直してみると良いでしょう。

 「家財」の補償は一般の火災保険で備えることになるため、未加入になっているケースも少なくありません。
 家財の火災保険のかけ漏れをチェックし、受け取れる保険金を少しでも多くしておくことが大切です。

賃貸暮らしの火災保険について

 賃貸暮らしの場合も火災保険は大変重要です。理由は2つあります。

 1つは「失火の責任に関する法律」により、近隣からの類焼などによって住宅や家財が焼失したとしても、失火者に重過失が認められない限り、損害賠償請求ができないようになっているからです。

 火事によって家財道具が全焼した場合、よほど悪質な火災でないかぎり、火災保険に入っていないと全額自腹を切ることになります。

 2つめは、借家人が煙草の不始末などの軽過失の失火によって借りていた家を焼失させた場合、家主に対して債務不履行による損害賠償責任が生じるからです。

 借家人の不注意で火事を起こした場合は、原状回復の費用を借家人が負担しなければいけないというわけです。
 家主が賃貸住宅に火災保険を掛けていたとしても、保険金は支払われません。

 このような賠償リスクに備えるには、借家人自身の火災保険(家財)契約に、「借家人賠償責任特約」を付けてカバーするしかありません。

 火事の後の原状回復費用は想像以上にかかります。どんな借家に住んでいても、借家人賠償責任特約は備えておくべきでしょう。

 なお、借家人賠償責任特約は損保各社と全労済で取り扱っています。
 いずれも単体で加入することはできず、家財にかける火災保険にセットして契約することになります。

2006年03月29日

カテゴリー:損害保険コラム


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